特別栽培米とは?──鳥取県日野町・標高400mの棚田で、優栽がしていること

特別栽培米とは?──鳥取県日野町・標高400mの棚田で、優栽がしていること

「特別栽培米」という言葉を、袋やお店で目にされたことがあるかもしれません。なんとなく体によさそうだ、くらいの印象で終わってしまいがちな言葉です。

実際には、はっきりした基準があります。そして優栽のお米は、その基準を満たしたうえで、もうひとつ別のことをしています。海藻の話です。

この記事では、「特別栽培」とは何かという言葉の説明から始めて、鳥取県日野町の田んぼで私たちが日々していることを、順を追ってお伝えします。

「特別栽培」とは、どういうお米のことか

特別栽培農産物は、国(農林水産省)が定めたガイドラインにもとづく区分です。その地域で一般的に行われている栽培(慣行栽培)と比べて、節減対象の農薬の使用回数と、化学肥料に含まれる窒素の量を、どちらも半分以下に抑えて育てた農産物のことをいいます。

「農薬を使っていない」という意味ではありません。使う回数を、地域の標準の半分以下にする。肥料も、化学肥料への依存を半分以下にする。その両方を満たして初めて、特別栽培と名乗ることができます。優栽のお米は、鳥取県の認証を受けた特別栽培農産物です。

有機栽培(オーガニック)とは別の区分です。有機JASは化学合成の農薬や肥料を原則として使わない栽培で、特別栽培はそれを半分以下に減らす栽培。どちらが上ということではなく、田んぼの条件と作り手の考え方によって選ばれる、それぞれ別の道です。

優栽のお米・育て方の要点

  • 品種:コシヒカリ / 認証:鳥取県 特別栽培農産物
  • 農薬・化学肥料:どちらも慣行の50%以下
  • 肥料:中海(なかうみ)の海藻を主原料とした有機肥料(+魚粉・米ぬか)
  • 産地:鳥取県日野郡日野町・標高およそ400mの棚田
  • 水:日野川の支流

最終更新:2026年9月15日

肥料は、海から来ています ― 中海の海藻

島根県と鳥取県にまたがる汽水湖に、中海があります。海水と淡水が混ざる湖で、海藻がよく育ちます。育ちすぎた海藻は岸に寄せられ、そのままでは処分に手がかかる、いわば厄介ものとして扱われてきました。

優栽では、この海藻を仲間とともに採り、田んぼの肥料として使っています。海藻を主原料に、魚粉と米ぬかを合わせた有機肥料です。海のミネラルが土に溶け、稲を育てる力になります。

市販の肥料を買ってきて撒くのに比べると、採る、運ぶ、寝かせる、撒くという工程が増えます。手数はかかりますが、海で持て余されていたものが、山の田んぼで役に立つ。私たちが「海と山の循環型農業」と呼んでいるのは、この一連のめぐりのことです。

田んぼは、標高およそ400mの棚田です

海藻の肥料が撒かれる田んぼは、鳥取県日野町、中国山地の中山間地にあります。標高はおよそ400m。平らな一枚田ではなく、段になった棚田です。

この高さになると、昼と夜の気温の差がはっきり出ます。稲は昼に光を受けて養分を作り、夜は呼吸でそれを使います。夜が涼しいほど使う量が減り、粒に甘みとして残ります。産地で昔から「寒暖差がある所の米はうまい」と言われるのは、この理屈です。

水は、日野川の支流から引いています。上流に近く、湧き水に近い冷たい水です。棚田は1枚あたりの面積が小さく、機械の効率という点では平地に及びません。そのかわりに、この気温と水を受け取っています。

混ざっていません ― この田んぼのお米だけ

スーパーの棚に並ぶお米の多くは、複数の生産者や複数の産地のお米を集めて、ひとつの袋に詰めたものです。それ自体は流通の仕組みとして自然なことで、品質を揃えるための工夫でもあります。

優栽のお米は、この日野町の田んぼで、私たちの家族が育てたお米だけを袋に詰めています。ほかの産地のお米も、ほかの農家のお米も混ざっていません。だから、田んぼの話も、肥料の話も、そのまま袋の中身の話になります。

そして、精米は注文をいただいてからです。毎週日曜日の23時59分を締め切りに、翌週の金曜日に精米して、順次お送りしています。お手元に届く時点で、精米から数日というお米です。

数字で見ると、どうなるか

おいしさは食べていただくのがいちばんですが、目安になる数字もお伝えしておきます。

数字で見る優栽のお米

  • 食味値:87点(2021年10月測定・平均値)
  • 参考:日本産米の食味値の標準は65〜75点とされています
  • 認証:鳥取県 特別栽培農産物 / 鳥取県エコファーマー認定
  • 採用実績:鳥取県境港市の学校給食

出典:優栽の測定記録および認証書類。最終更新:2026年9月15日

食味値は、お米の水分・たんぱく質・アミロース・脂肪酸度などを機械で測り、100点満点で表した数値です。同じ機械で同じ条件で測った場合の目安であり、絶対の指標ではありません。ただ、80点を超えると「食味が良い」とされることが多く、87点はそのなかでも高い部類に入ります。

数字は2021年10月の測定値です。お米は年ごとに出来が変わりますので、毎年同じ点数を約束するものではないことも、あわせてお伝えしておきます。

選んでくださっている方々

いちばんうれしかったのは、境港市の学校給食に採用されたことです。きっかけは、親子で参加する農業体験の場で「ぜひ給食で出してほしい」という声が上がったこと。子どもの口に入るものだからこそ、地元の方が選んでくださった。この事実を、私たちは何よりの励みにしています。

ほかにも、鳥取県内の旅館や焼肉店の食卓で、優栽のお米を使っていただいています。「冷めてもおいしい」「粒がしっかりしている」というお声を、料理をされる方からいただくことが多いです。

よくあるご質問

Q. 「特別栽培米」とは何ですか。

A. 地域の慣行栽培と比べて、節減対象農薬の使用回数と化学肥料の窒素成分量を、どちらも50%以下に抑えて育てたお米のことです。国のガイドラインにもとづく区分で、優栽のお米は鳥取県の認証を受けています。

Q. 有機栽培(オーガニック)とは違うのですか。

A. 違います。有機JASは化学合成の農薬・肥料を原則として使わない栽培、特別栽培はそれらを半分以下に減らす栽培です。優栽は特別栽培の認証を受けており、肥料には中海の海藻を主原料とした有機肥料を使っています。

Q. 海藻の肥料は、味に関係があるのですか。

A. 海藻には海由来のミネラルが含まれ、土の状態を整える働きがあります。味への影響を数値で切り分けることは難しいのですが、海藻の肥料と標高400mの寒暖差、日野川支流の水という条件の組み合わせが、優栽のお米の味をつくっていると考えています。

Q. 食味値87点は、どのくらいの水準ですか。

A. 日本産米の標準は65〜75点とされており、80点を超えると食味が良いとされることが多い数値です。87点はそのなかでも高い部類です。2021年10月測定の平均値で、年により変動します。

Q. 白米と玄米で値段は変わりますか。

A. 変わりません。同じ価格でお選びいただけます。玄米は白米より劣化がゆっくりなので、長めに置かれる場合に向いています。

おわりに

「特別栽培」は、制度の言葉です。そこに海藻の肥料と、標高400mの棚田と、家族で受け継いできた田んぼが加わって、優栽のお米になります。

土地に優しく、作物に優しく、召し上がる方にも優しく。三つの優しさへの願いを込めて、私たちは自らを「優栽」と名づけました。海と山をめぐる循環のなかで育ったお米を、まずはいつもの食卓で、たしかめてみていただければ幸いです。

田んぼと海藻のことは、こちらにもまとめてあります。 → 「こだわり|海と山の循環型農業」

令和8年産の新米については、別の記事でお話ししています。 → 「令和8年産・新米のこと」

最終更新:2026年9月15日/株式会社優栽(鳥取県日野郡日野町)

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